街中から山地まで
鉄道や道路を測り地域の活動を支える。
古川慧志FURUKAWA SATOSHI
2017年新卒入社測量部測量課 主任 新潟工科専門学校 環境測量科 卒
※所属および掲載内容は取材当時のものです。
鉄道や道路建設に関わる仕事がしたい
もともと鉄道や道路が好きだったので、土木などの分野について学べる専門学校に進学し、そこで測量についての知識や資格を身に付けました。就活では鉄道という専門分野があることがきっかけで当社を志望しました。線路内での作業は一般的な建設業では経験できないことなので、鉄道好きとして惹かれたのが理由のひとつです。
入社後は、鉄道関連では踏切を含む道路の拡幅、災害復旧、またダムの維持管理などの測量業務を経験してきました。例えば道路の拡幅では、自治体からの発注を受けて、踏切内と踏切に接続している道路の現況を測量して、データを基に図面を起こし設計部門へ渡すまでの一連の作業を担当します。
首都圏の交通網を支える発電所の水準測量に挑戦
2022年に測量担当として挑んだのは、JR東日本信濃川発電所での水準測量です。この水力発電所は首都圏の山手線などに電力を供給するエネルギーとなっており、当社は継続的な管理を担っています。その管内に点在する基準点および水準点は施設の維持管理には欠かせない存在であり、担当したのは十日町市から小千谷市に至るまでの管内水準点の改測でした。
業務の内容自体は4人1組で電子レベルと1級バーコード標尺を持ち、各水準点間を往復するという作業を繰り返すというものです。片道計65km以上ある水準路線を往復することになるため、徒歩距離は130km以上になります。
平坦地ばかりであれば進みは良いのですが、土地柄アップダウン箇所が多く、作業規程で定められた往復差の許容範囲を超えると入らなかった路線を再測しなければならず、労力のかかる業務でした。
10月上旬から12月まで毎日現地に通い、全ての水準点を網羅することができました。作業を完了した1週間後に大寒波がきて「間に合った!」と胸をなでおろしました。
デジタル化が進んでも人が介入すべき部分がある
今、測量技術や機器は進歩していて、測量作業の負担や誤差は軽減されていますが、測量にはアナログというか人間臭い部分もあって、そこが大変でもあり、またおもしろくもあります。たとえば、電子レベルにおける作業は標尺のバーコードを読み取りすぐに結果が確認できる仕組みになっているため作業自体の負担は大幅に軽減されていますが、風や橋上での振動や逆光下での読み取りエラーの発生など電子レベルならではの欠点もあります。また、3D機器を用いた測量なども出てきていますが、草などの支障物や天候の影響も受けやすい等の課題もあります。そういった場面や誤差の軽減のために最終的には測量技術者の判断や考えが求められるところがあり、それがやりがいにつながっています。
山や斜面、線路、道路、河川など、私たちが測量する対象は多岐にわたり、技術や使用機器も様々です。それらを使いこなして幅広い経験を積み、測量士を始め関連する資格を取得して、さらに守備範囲を広げていきたいと思っています。
手がけた案件
JR東日本信濃川発電所管内の水準点改測/踏切道拡幅に伴う現況測量/駅乗降場平面図作成/豪雨等で被災した線路内の現況測量(起工前測量)